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外耳炎とは、犬の耳の穴から鼓膜までのあいだの外耳道に急性または慢性の炎症が起きていることをいいます。
アニコム損保の家庭動物白書2019(https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201912_2.pdf)によると犬の保険金請求の1位は、「原因未定の外耳炎」となっており、外耳炎事態の原因は様々あるものの、外耳炎は犬の病気ではポピュラーと言えます。
外耳炎は全犬種なり得ますが、垂れ耳の犬種や外耳道に毛が密に生えている犬種が好発犬種です。
具体的な犬種としては、アメリカン・コッカー・スパニエル、ゴールデン・レトリーバー、ミニチュア・ダックスフンドやテリア系、トイプードルなどががかかりやすいです。
アメリカン・コッカ―・スパニエルは特に悪化しやすい犬種とされ手術が必要なることもあります。
また他の皮膚炎にかかりやすい犬種においても、別の部位から広がり耳が外耳炎になることもあります。
外耳炎の治療は、基本的には通院治療・投薬治療が中心となる疾病で、一回あたりの診療費は数千円程度のケースが多く、高額な治療ではありませんが、
ペット保険会社により、補償対象となる場合がありますので、膝蓋骨脱臼の治療に備えたい方は以下をご参考ください。
外耳炎が基本的に通院での投薬や処方薬を投与していく治療
非常にポピュラーな疾病のため、ほぼすべてのペット保険会が対象としている病気ですが、犬種や個別症状によって取扱が違う可能性もございますので、加入を検討されているペット保険会社にお問い合わせすることをおすすめします。
外耳炎程度の病気であれば問題なく加入できると思われる方もいらっしゃるかと思いますが、原則ペット保険に加入できる犬は、健康体であることが共通して求められる加入基準です。ですので、外耳炎とはいえ治療中の場合、加入を断られるケースもあります。
一方で、現在治療中の外耳炎及び現在の外耳炎と因果関係がある今後起こる外耳炎を免責とすることで、加入できるケースもあります。
外耳炎をよく理解するには、犬の耳の構造を知っておくとわかりやすいといえます。
犬の耳の構造は、耳介(じかい)・外耳道(がいじどう)・鼓膜・中耳(ちゅうじ)・内耳(ないじ)にわけられます。
耳介は人でいうところの耳たぶ、外耳道は耳の穴に該当します。
外耳道はほとんどが軟骨ですが、深部は骨です。
犬の外耳道は、垂直部と水平部から構成され、人のように真っすぐできてはおらず、L字の構造をしていて、耳介からは縦方向の穴である垂直耳道が伸びており、その先には横方向の穴である水平耳道が伸びています。
それぞれの箇所に炎症が起きた場合に、外耳炎、中耳炎、内耳炎となります。
元々、外耳にはマラセチアと呼ばれる微生物や細菌が存在していますが、分泌される皮脂と外耳表面の新陳代謝によって角質がはがれ耳垢として外に排出し健康な外耳を保っています。こうした健康な外耳の働きが何らかの原因で炎症が起きた子tにより、腫れ、滲出液が出てきて
細菌や真菌(カビ)などの繁殖、寄生虫(耳ヒセンダニ)がもっとも多い原因とされています。
多湿になる梅雨時期などは最近。カビが増殖しやすく悪化することがあります。
その他では、アトピー、アレルギー性皮膚炎の症状の一つとして炎症がおきたり、草の実などの異物混入や腫瘍(しゅよう)などが炎症の原因となるケースがあります。
出血を伴う場合、外耳炎の治療での改善が見られない場合は、外耳の腫瘍を疑われます。
耳の穴から鼓膜にかけて炎症は起こるため、痒身の症状がでるのが外耳炎の特長と言えます。外耳炎か否かは以下のようなことに注意・観察をしましょう。
見た目の変化としては耳垢(じこう)の量が増え、耳がにおうようになることで、耳垢の色が黒の場合は、寄生虫・信金、黄色であれば細菌の繁殖が疑われます。
さらに、湿疹、出血がある場合もあり、悪化すると膿がでていることもあり、その場合はケガや別の病気の可能性もあり、すぐに獣医師に相談すべきでしょう。
軽度では、耳を気にする回数が増える、といった症状しか見られないこともあり、わかりずらい部分です。ただ、犬の以下のような行動があった場合は、獣医師に相談したほうが良いといえます。
・耳をかゆがる
・頭を振る
・耳を床にこすりつける
・耳を触られるのを嫌がるようになった。
など
以下は一般的な外耳炎の治療です。症状や獣医師の治療方針によって、方法は異なります。
一般的に、耳の洗浄に加え、原因となっているものに対して有効な薬を使用します。
多くは点耳薬ですが、場合によっては内服薬をもちいることもあります。
軽度では1週間ほどで良化しますが、炎症が強い場合は治療が長期化することもあります。
また、あまりに炎症が強い場合は、痛みをともなうため耳の洗浄は控え、炎症を抑える薬を使用しながら定期的に通院して少しずつ洗浄することもあります。
異物混入や腫瘍が原因の外耳炎では、それらを取りのぞく処置がとられます。
外耳炎にかかってしまった場合、どのくらいの治療費がかかるのでしょうか?
保険会社の保険金請求データをもとにした治療費の例を見てみましょう。
アニコム損保の家庭動物白書2019(https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_201912_2.pdf)によると原因未定の外耳炎の年間平均診療費は39、782円となり、平均診療回数は2.9回となっています。単純に割ると1回の診療で13、000円以上かかる計算になります。
健康保険のない犬では、10割負担になりますので、想像以上に高額になるのです。ペット保険に入っていれば、補償割合に応じて最終的に支払った金額は減ります。
特に外耳炎の場合、ぶり返す場合や、特に湿気の多い日本の6月〜8月はかかりやすい季節です。
好発種の犬種の場合、通院等の診療回数も増える可能性もあり、診療費が気になるのであればペット保険の検討は必要と言えます。
外耳炎は頻発する一方で、ある程度予防できる病気です。具体的には、定期的な検診をうける、耳のチェック、掃除を行うことが挙げられます。
外耳炎は再発することも多いため、梅雨の時期などはこまめに観察するようにしましょう。
また、病院で定期的に診てもらうことで、早期に炎症を見つけて重症化しないようにするのも1つの方法です。
耳を清潔に保つために耳掃除は必要です。綿棒をやり過ぎると逆に耳を傷つけてしまうこともあるので、適度に行うようにしましょう。
・犬の耳の構造は人間と違いL字で掃除がし難い
・蒸れ、細菌、真菌、アレルギー、アトピー、腫瘍など原因は様々
・どんな犬種でもなりえる病気で、犬ではポピュラー
・垂れ耳の犬種は好発種で特にアメリカンコッカ―スパニエルは重篤になる可能性がある
・慢性化すると治りづらいため、異常行動があればかかりつけの獣医師にすぐ相談
・ペット保険に入るなら罹患前が良い。好発種は加入すべきと言える。
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