鳥、小鳥、インコの卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)

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このページでは、鳥、小鳥、インコや文鳥のメス鳥に起こりやすい卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)の症状・原因・治療法・予防について詳しくまとめています。

 

目次

 

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)とは

卵塞症とは、雌鳥のお腹の中に卵があるのに、産卵できずに詰まってしまった状態のことで、卵づまり、卵秘とも言われます。
鳥のメスは、オスがいなくても無精卵を生むことがあり、そうした無精卵が卵詰まりになることがあり、こうした鳥飼育の基礎知識がない飼育初心者の方にとっては要注意のの疾病と言えます。
鳥は、卵詰まりの状態が続くと、、体力消耗や排便障害、生殖器の疾患、肝疾患や腎疾患、関節疾患までも引き起こします。鳥の体は小さく、症状の進行は早く最悪生命に危険を及ぼす可能性があるため、早急に治療を始めなくてはなりません。
鳥は、一部の鳥種を除き短命ですので、人間の感覚で様子を見ると手遅れになることもあります。
卵塞症は、特に季節を問わず発生がみられますが、多く発生するのは、急に冷え込む秋から冬場と言われています。

好発鳥種

セキセイインコ、文鳥、ラブバード、オカメインコなど。一般家庭で飼育可能な鳥類の多くで発症する可能性があります。

補償対象となるペット保険

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)は、雌鳥であればどんな鳥種でも罹患する可能性があります。ただし、1度でも罹患している可能性がある場合は補償対象外となる可能性もあります。
卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)の治療に備えたい方は以下をご参考ください。

補償に関しての注意点

注意1
原則として、加入前にすでに発症してしまっている病気やケガ(既往症)については、どのペット保険会社でも対象とはなりません。
注意2
加入後であっても、先天性疾患と診断された場合、補償開始後に獣医師の診断によりはじめて発見された場合は、補償される場合、補償されない場合がございますので、個別お問い合わせ下さい。
注意3
ご契約時の告知書は、正確にご記入ください。告知に虚偽の申告をした場合は、告知義務違反となり、契約解除や悪質な場合は法的処置の対象となるケースもございますのでご注意ください。
注意4
過去にの卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)罹患歴がある場合、補償対象とならない場合もございますので、ご加入前に各保険会社にご確認ください。

補償対象となるペット保険会社一覧

アニコム損保
日本アニマル倶楽部
 

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)の原因

卵塞症は、自然界ではあり得ない持続的な発情による過産卵、初産、カルシウムやビタミンの不足や冬に寒さなどが様々な発生要因が考えられます。
飼い主の気遣いで防ぐことができるケースもあり、特に発情に関しては、それぞれの鳥にあった環境を整え過剰な発情回数を抑えるようにしましょう。
発情が継続してしまう理由としては、光周期、温度、湿度、人間との距離、など様々あります。特に光周期や温度、湿度といったことは、鳥の特性にに合わせ空調に気をつける、光に当たりすぎないようにするなど対応をしましょう。
過剰な発情による過産卵は、正常な産卵をするために蓄えておいた体内の組織のカルシウム量を減少させて卵管が十分に収縮しないために、卵を排出できなくなります。
また、過産卵になるとカルシウム不足から殻をもたない軟卵が作られて停滞してしまう場合もあります。卵が卵管内に停滞している期間が長くなると、必要以上に大きくなったり(過大卵)、卵殻が卵管粘膜と癒着してしまいさらに産卵が困難になります。

 

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)の症状

まず産卵の目安としては、セキセイインコの場合年に1回〜3回程度、4個〜6個程度の卵を2日おきに生むといわれています。
こうした産卵が止まったりする場合は要注意ですが、飼育初期においては気が付きにくいものです。
卵塞症の初期症状としては、産卵が止まる、腹部が膨らむ、元気の減退が現れます。
症状の種類としては、停滞型難産型があります。
停滞型は、軽度で。初期症状はお腹のふくらみが目立つといった程度です。
腹部の膨らみの判断については、見た目に変化があった場合、鳥にストレスがかからない程度に触って見ましょう。固くて丸いものがあればそれが卵です。
産もうとして埋めない場合、力んでいる仕草がある、お尻から、卵が見えている、などが見受けられます。
産卵できる様子がなければすぐに獣医師に見せに行きましょう。
ただ症状のあまりない停滞型ですが、進行すると排便障害から体力の消耗が激しくなると、呼吸が荒くなり、卵管炎や腹膜炎の合併症を起こす可能性があります。

難産型は、急激にお腹が膨れ動けなくなり、元気が減退し、カゴの済でうずくまるなど明らかな様子の変化がみられ、水分を多く摂ることから、水分の多い糞をするなどの症状がみてとれるます。
その後症状が進行すると、呼吸が荒くなり、そうした症状による激しい体力消耗により、初期症状から24時間程度で落鳥する場合もあり、少しでも疑わしい症状がみえたら獣医師に連絡しましょう。
どちらのケースでも異常を感知した段階で獣医の診療を受けましょう。
少しの遅れが命にかかわることも少なくありません。

 

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)の治療

卵塞症の治療には、内科治療と外科治療があります。

内科治療

卵詰まりの治療は、軽度であれば、おおよそ30℃~33℃に保温することが先決になります。温めることで産卵を促すためです。
その後、1日に1回35℃まで保温します。保温で産卵できれば問題ありませんが、この対応で産卵しない場合、通常はブドウ糖やカルシウム剤、産卵促進剤等の投与が必要となります。
民間療法で潤滑油としてオリーブオイルなどを入れるといったことをすすめる情報などがありますが、まったく効果がなくデメリットしかないため行ってはいけません。

外科治療

保温や点滴など内科的な治療が無効な場合は、外科手術を含めた人工的な処置が必要となります。
まず、卵が排泄孔近くまで下りている場合は、用手(手技)にて卵の除去を試みます。また、卵が上腹部に停滞している場合は、卵管を切開する手術(帝王切開)を行う場合があります。
鳥の年齢にもよりますが、手術は大変体に負荷がかかりますので、老齢の鳥の場合は、手術ができないこともあります。

治療費用

手術費用は2万円程度が目安で、鳥の大きさにもよります。
また、内科治療の場合、入院が必要になることもあり、1日2000円~5000円程度です。
症状により、酸素室に入ったり強制給餌や注射など、診療費が上がることもあります。

 

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)の予防

一般的に1度卵塞症をおこした鳥は、何度も繰り返す傾向にあると言われています。
体質や環境要因など様々考えられますが、発情予防、食事の管理(カルシウム・ビタミンの接種)温度湿度の管理、光周期の管理など飼い主がやらなければいけないことがたくさんあります。
1回の卵塞で命を落とすこともありますので、場合によっては薬によって産卵停止させることが大切です。

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)のまとめ

卵塞症(卵秘、卵詰まり、卵停滞、難産)はどんな鳥でも起こりえる疾患で、最悪落鳥となってしまう恐ろしい疾患です。
一方で、しっかりとした管理をすれば予防或いは早期発見が可能な疾患でもあります。
日頃から鳥の様子をしっかり確認し、信頼できる獣医師と連携できる体制にしておくことが重要と言えます。

 

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