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スコティッシュフォールドは、スコットランドで発見された突然変異で耳が折れた特徴をもつ猫を繁殖させ純血種として確立させた、比較的新しい猫種です。
1961年にスージーという耳がたたなかった雌猫が生まれ、さらに1963年に生まれたスージーの子供にも耳折れが生まれたことから計画的繁殖が始まり、1994年にアメリカで品種として認定されました。
ただし、交配には注意が必要で、耳折れ同士の交配を行うと関節異常を特徴とする障害を起こします。
交配相手としては立耳のスコティッシュフォールド或いはブリティッシュ・ショートヘアやアメリカン・ショートヘアとの交雑が許容されています。
ただ2016年に耳折れと関節生涯を同時に生み出している遺伝子が特定され、関節の障害は、両親から1本ずつ耳折れ遺伝子を受け継いだ耳折れ個体だけでなく、両親のどちらかから1本だけ遺伝子を受け継いだ個体においても発生することが確認されています。
現在では、スコティッシュフォールドの特徴の一つでかわいいと人気の座法「スコ座り」も実際には障害があるため体に負担がかからない方法なのではないかと考えられています。
名前にもあるフォールド「折り曲る」が示す通り、最大の特徴は折れ曲がった耳です。ただし、折れ耳の可能性は30%といわれており、立耳のスコティッシュフォールドも多くいます。
加えて短めの首や丸い顔、丸みを帯びた小柄な身体も独特で、小さい耳と丸い顔からフクロウの様といわれることもあります。
短毛・長毛のどちらの個体も存在しており、被毛は密生していて弾力があります。アンダーコートが少なく、軟らかいな手触りです。全ての毛色が認められています。
基本的に人懐っこく、おっとりとした性格が多いと言われています。一般的には飼いやすい性格の猫とされています。ただ、交配した親猫の猫種の性格によっては、まったく違う性格の場合も多々あります。
罹患しやすい病気としては、遺伝性骨軟骨異形成症(骨瘤)、外耳炎、尿管結石、下部尿路症候群、レーベル先天黒内障などが挙げられます。
とくに遺伝性骨軟骨異形成症(骨瘤)については、耳折れのスコティッシュを親に持つ個体の場合ではどの猫でも発現する可能性があり、いわゆる「スコ座り」をし始めたら、関節どこかに痛みを感じているとも考えられますので、今後のケアのためにも、レントゲンやCTをとることをおすすめします。
スコティッシュフォールドは、穏やかな性格で飼いやすい猫種ともいえます。遺伝性疾患については、発症を確認した場合はすごしやすいようにケアが必要となってきます。
以下では、スコティッシュフォールドの年齢ごとの飼育についての注意点の詳細を紹介しています。
仔猫の時期に気を付けるべきなのは目と関節の遺伝性疾患です。特に関節の遺伝性疾患である骨軟骨異形成症(骨瘤)は耳折れの個体の場合は可能性が高く、罹患しているか否かを見逃さないことです。遺伝性の疾患の為防ぐことはできますが、罹患していると理解することで、ケアをすることが出来ます。動きたがらない、歩き方がおかしい、高い場所にジャンプできない、高い場所から降りられない、関節を伸ばすと痛がる、しっぽの付け根が硬直するなどの症状があった場合は獣医師に相談し、CT、レントゲンなどで確認が必要です。
基本的に遊ぶことは好きな猫ですので、沢山遊んであげましょう。関節疾患がある場合はあまり高さのないキャットタワーや、できれば床をクッション性のあるものに変えましょう。
仔猫期は他猫種同様に好奇心は旺盛ですので、誤飲・誤食などしないように、細かな日用品やコードなどは片づけましょう。ブラッシング等は、長毛でない限りは基本的なものだけで問題ありません。食事については、例え遺伝性骨軟骨異形成症(骨瘤)に罹患していなくても、関節に負担がかからないように太らせないような食事の与え方が重要です。
また耳のケアについては折れ耳の場合、他の猫種以上にケアが必要です。蒸れやすく耳が小さいため掃除もしずらいので、慣れるまでは、動物病院やトリミングサロンでお願いしても良いでしょう。
遺伝性骨軟骨異形成症(骨瘤)
誤飲・誤食
寄生虫感染
外耳炎
レーベル先天黒内障
遺伝性骨軟骨異形成症(骨瘤)に罹患していない場合は、他猫種同様に、一般的に猫が罹患しやすい下部尿路症候群や尿管結石には注意が必要です。スコティッシュフォールドの下部尿路症候群や尿管結石の罹患率は高いと言われていますので、早い段階から、尿石対策のフードを慣らしておくとよいでしょう。耳や食事のケアについては引き続きコントロールし、健康的な生活をさせてあげましょう。
また子猫期に発症していなくても遺伝性骨軟骨異形成症(骨瘤)成猫期になって発症することもありますでの、普段の様子については気を配る必要があります。
外耳炎
尿管結石
猫下部尿路疾患(FLUTD)
老猫期になると、スコテッシュフォールドも運動量が減ります。基本的には加齢とともに食欲は落ちる傾向にありますが、栄養は十分に取らせつつ、おやつなどをあげ過ぎには注意し、に太らせないように気を付けましょう。
遺伝疾患が老猫期まで出ていなくても、関節は強いほうではなく、老猫になるとさらに関節は弱くなるので、不調のサインを見逃さないようにしましょう。
また、加齢とともに様々な病気・ケガになることがあるのは人間とも同じですが、眼病(白内障)、猫下部尿路疾患(FLUTD)(膀胱炎、尿結石)や糖尿病、腎不全はシニアの猫が罹患しやすい病気になりますので、半年に1回以上は健康診断や定期健診を受けることをお勧めします。
白内障
腎疾患(腎不全)
糖尿病
尿管結石
猫下部尿路疾患(FLUTD)
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