柴犬の保険

柴犬のペット保険
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柴犬とは 柴犬の特長

柴犬とは、日本固有の犬種ですが、明治時代に雑種化が進んだため、数が激減したことから昭和11年12月には保存を目的として「天然記念物」に指定されました。

現在では、海外でも人気の犬種です。柴犬は、中型犬に分類される純血種で、日本国内での飼育頭数は5位(一般社団法人ジャパンケネルクラブ(以下JKC)の2016年飼育頭数ランキング)。中型犬としては、日本で最も飼育されている犬種です。元々は飼い主にしか懐くことがなく、気難しい犬種として知られていますが、逆にこうした一途さが人気の要因となっているようです。

柴犬は身体が引き締まり、健康な部類の犬種として知られている柴犬も他の犬種と同じように怪我や病気になることもあり、先々の医療費を考えペット保険を選ぶ際には、犬種ごとの性格・身体的特徴・かかりやすい病気などを把握しておくことが大切です。

柴犬の容姿

柴犬は、体高よりも体長の方が少し長く日本犬のなかでも体高の低い犬種です。被毛は短毛でダブルコートです。主な毛色は、「赤」「黒」「胡麻(赤胡麻)(黒胡麻)」「白」があります。

赤柴・黒柴

中でも代表的な色は赤毛で、柴犬の約8割を占めると言われています。ペットショップで見かけるのもほとんどが赤毛で現在ですが、黒毛も多くあります。ただし白毛については現時点で犬種としてはまだ認定されていません。

一般的な目安となる平均的な体重は、雄(オス)で9~11㎏、雌(メス)で7~9㎏です。

また、他の犬種と違う特徴としては、厚みのある三角形の立ち耳と「巻尾」・「差尾」と呼ばれる尻尾が特徴です。

巻尾はクルンと巻いた尻尾のことで、差尾は持ち上がり、巻かずに先端が前に傾斜している尻尾です。

柴犬の性格

柴犬の性格は古来の人間との関わりが関係しています。柴犬は縄文時代から飼育されてきたといわれる日本古来の犬種です。人間の狩猟を狩猟犬として手伝ったりや番犬として長く活躍してきたため、人間に対して忠実で従順、さらに家族を守る勇敢さ、命令を実行できる利口さ、忍耐強さを兼ね備えています。

一方で警戒心が強く、飼い主以外にはあまり懐かない犬種ですが、好奇心は旺盛で、活発で飼い主をはじめ信頼関係を築いた人が近くと、尻尾を振って喜ぶような可愛らしい愛嬌を振りまくこともあります。

柴犬のかかりやすい病気

柴犬は「柴犬の性格」の中でも述べさせていただいたとおり日本古来の犬種のため、日本の湿度や季節にも対応できている犬種です。

日本国内で飼育している限りは、病気の心配はそれほど高くないと言えますが、比較的皮膚が弱いため皮膚炎の罹患率が多くあり、運動量が多いゆえの膝蓋骨脱臼、年齢を重ねていくことによる心疾患や認知症などが発症することもあります。
特にアトピー性皮膚炎、膿皮症などの皮膚疾患は常に注意が必要です。皮膚炎は見た目で治ったと思っても実際は完治していないケースが多く再発もしやすいので獣医師のアドバイスの元しっかり治療を行うようにしましょう。

皮膚炎

皮膚が比較的弱い犬種のため、皮膚炎にかかることがあり、中でもアレルギー性皮膚炎が好発します。症状としては、強いかゆみやフケが生じ、掻くことで皮膚が傷つきただれてしまうことがあります。後ろ足で顔や身体を掻きむしる仕草や、床に身体を擦り付ける仕草をしたら要注意です。
ドッグフードも含め、食べ物のアレルギーがある場合は食餌性皮膚炎、ハウスダスト、花粉、ダニ、真菌など環境にアレルギーのある場合はアトピー性皮膚炎に分類されます。どちらもアレルギー検査で分かるため、気になる症状が出た場合は、確認することをおすすめします。

膝蓋骨脱臼

後ろ足の膝の関節のお皿(膝蓋骨)が、正常な位置から内外へはずれ脱臼した状態をいいます。一般的には小型犬や超小型犬がなり易い疾患ですが、柴犬でも起こることがあります。また膝蓋骨脱臼には先天性のケースとケガによる後天性のケースがあり、後天的ケースは落下などの衝撃で起こることがあります。

膝蓋骨脱臼の詳しい説明はこちら > 

甲状腺機能低下症

喉にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの分泌量が低下する病気です。症状としては、胴体の左右対称の脱毛や全身のむくみなどさまざまな症状が現れます。

認知症

近年、犬の高齢化とともに増加している病気です。脳の委縮など、加齢にともない発症が増加する傾向が多いといえます。柴犬での罹患は多く、物との衝突や、成犬にもかかわらず夜泣きなどがあった場合は、検査をしてみたほうがよいでしょう。

緑内障

回復が難しい眼疾患で、眼圧の上昇により視神経と網膜に障害が生じ、一時的または永久的に視覚障害が起こる病気です。

年齢ごとの飼育についての注意点

柴犬の平均寿命は13歳〜15歳程度といわれていますが、健康な日々を過ごすにはそれぞれの年代にあった日々の健康管理を行っていく必要性があります

子犬期

柴犬の子犬

迎い入れた先がしっかりとした管理の行き届いたペットショップやブリーダーの場合は起こりませんが親から感染するケースもある回虫などの消化管内寄生虫症です。下痢が続いたりする場合は検便で確認しましょう。
また、消化管内寄生虫症は親以外の犬や土壌からも感染します。子犬の時期はとくに活発なのでドックランなどに行く機会が多いのですが、沢山の犬が訪れているため土壌が汚染されており、感染するケースもあるので、口コミなどをよく確認し、整備された清潔な場所を選ぶようにしましょう。

寄生虫以外には、「GM1ガングリオシドーシス」という耳慣れない遺伝性疾患がこの時期柴犬に好発すると言われています。
GM1ガングリオシドーシス発症するのは生後5~6ヶ月齢で、症状は、脳をはじめ全身の臓器に異常が生じ歩行不能、四肢の緊張性硬直、直立不能、角膜の混濁による視覚の障害がみられるなど深刻な症状が多いのが特徴です。
残念ながら現在でも治療法がないため、かかっていない(かかる可能性が低い子犬)子犬を迎えることが重要です。遺伝性疾患のため出来れば親の疾患の確認をしましょう。

子犬期に注意すべき病気・ケガ

寄生虫症
GM1ガングリオシドーシス
膝蓋骨脱臼

成犬期

遺伝性の疾患はこの時期までに出なければ発症しづらいと考えられますが、皮膚が余り強い犬種ではないため皮膚炎への備えが重要になります。とくに柴犬に多く認められるアトピー性皮膚炎は治りづらく、再発もしやすいので、一度発症してしまった場合は、長期治療になることも念頭に置き、根気強く治療を行いましょう。

柴犬のアトピー性皮膚炎については、80%が3歳頃までに発症すると言われているようですが、飼い主は気づかない或は一過性の皮膚炎と考え重く考えず、徐々に重症化するケースが多いのです。
発症頻度が高い部位としては、耳・眼の周り、関節の内側、四肢の付け根となっています。
日々のブラッシングや散歩からの帰宅した場合は湿らせたタオルで全身を拭きとるなど出来る限り皮膚を清潔にしましょう。

成犬期に注意すべき病気・ケガ

アレルギー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎

老犬期

柴犬の老犬
老犬期になると健康体の柴犬でも免疫の低下などから様々な障害や疾病にかかることがあります。とくに好発の疾病としては、「甲状腺機能低下症」や「緑内障・白内障」や、日本犬で多く見られる認知症が好発しやすいと言われています。
甲状腺機能低下症は症状として被毛が薄くなる、脱毛、顔のむくみなどがみられるため、一見皮膚炎と間違えやすいので要注意です。重症化すると意識障害など起こるケースもあるので、予防として毎年の定期健診で獣医師に確認することをおすすめ致します。
また認知症については、運動量の減少によって外界からの刺激が減ることが悪化を招くと考えられ、もともと好奇心旺盛な犬種であることを活かし、年齢を重ねても外に出る機会を減らさないなど、常に刺激を与えてあげることが大切といえます。

老犬期に注意すべき病気・ケガ

甲状腺機能低下症
眼疾患(緑内障・白内障)
認知症

柴犬がペット保険に加入場合の注意点・ポイント

身体的特徴やかかりやすい病気から柴犬がペット保険に加入する場合のポイントとして挙げられるのは以下です。

①子犬でペット保険に加入することが重要

日本犬は丈夫なイメージが強いですが、柴犬が他の洋犬に比べ日本の気候にあっているかというと、高音多湿な地域や都市部の蒸し暑さなどの環境下では、さほどアドバンテージはなく、むしろ皮膚炎などを起こしやすいとされています。
柴犬は、純血種のため、罹患しやすい病気がはっきりしている以上 出来る限り早くペット保険に加入するか否かを決定した方が良いでしょう。

②アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などが補償対象になっているか

アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などが柴犬は皮膚炎の好発犬種です。通常の皮膚炎であれば多くのペット保険会社で補償対象になる可能性は高いのですが、完治の可能性が低いアレルギー性やアトピー性の皮膚炎に関しては、補償対象にならないケースがあります。当然加入前に発症している場合は、補償対象になりませんが、重篤な皮膚炎の場合は加入できないケースもあります。
さらに、補償対象になったとしても次年度以降は対象にならない、特定疾病・特定部位不担保特約などがあるケースも要注意です。

③万が一、GM1ガングリオシドーシスなどの遺伝性疾患が発生した場合対象になるのか?

原則としてペット保険では遺伝性疾患や先天性疾患は補償対象とならないケースが多く、仮にこうした疾患が発症した場合は、補償されないものと考えるほかありません。
ただ一部ペット保険会社によっては、ペット保険加入以後に初めて発症した遺伝性疾患、先天性疾患であれば対象になるケースもあります。加入する前に確認しておくと良いでしょう。

④限度日数は継続時にクリアになるのか。1通院あたりの免責はあるか?

柴犬の病気やケガで、気にすべきなのは皮膚炎です。皮膚炎に関してはきちんとしたケアを行っていても発症してしまうこともあります。梅雨から夏にかけた蒸し暑くなる季節や、季節の変わり目などに悪化しやすく、年に何度も通院することは想像に難しくありません。皮膚炎の治療は通院と投薬が多く、入院や手術はよほどのことがない限りありません。こうしたことから、がんや心疾患などの高額な診療費が必要な疾病は年老いるとどの犬種にもリスクがありますが、柴犬においてはまず、通院を中心に補償内容を考えたほうが良いといえます。

ただ、通院補償がある保険でも、限度日数や、年間の限度金額が設定されており、無限に保障されるわけではありません。さらに、ペット保険会社によっては、年間限度の日数以外に、1つの病気が発症した場合、保険継続しても限度日数がクリアにならないケースがあります。この場合、柴犬が好発するアトピーやアレルギーによる皮膚炎は限度日数までとなります。中型犬の平均寿命は12年前後ですので、若年で発症した場合は確実に足りなくなってしまうでしょう。
こうした限度日数がクリアにならない補償は、保険料が安いペット保険に設定されていることがあります。一方で、保険料の安さと限度日数を天秤にかけた場合、保険料の安さを考え割り切って加入するというのも合理的な考え方といえます。
限度日数とともに、注意すべきなのは、免責金額が設定されている場合です。1診療なのか、完治までの診療に関しての免責なのかによっても違いますが、前者の1診療・1治療当たりだった場合、診療費が10,000円を超えることが珍しい通院においては、免責で支払われる保険金が少なくなってしまうケースがあり得ます。


柴犬のペット保険まとめ

同じ柴犬でも個体や居住環境により、病気にかかるかからないの差はでますので、柴犬がペット保険に加入場合の注意・ポイントであげた4つの項目をすべて網羅する必要は結果的にないかもしれません。
しかし、柴犬がどんな病気にかかりやすく、どんな診療が必要なのかといったことを整理できると、おのずと加入すべきペット保険が見えてくると思います。
さらに、高額な診療に対して備えるのか?それとも日常的に起こりうる低額の診療に備えるのかなど、飼い主様がペット保険に対して期待することによっても選ぶ保険は異なるといえます。
様々考慮いただき、あなたの愛犬にぴったりのペット保険がみつけてください。

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